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神戸大.comインタビュー教授インタビュー(No.03 宮下規久朗先生)

教授インタビュー 宮下教授

(教授No.03)

宮下 規久朗 先生
(神戸大学文学部)

インタビュアー:稲田(神戸大.com)

西洋美術史学の魅力というのはどういったところにあるのですか?
美術史学というのは美術作品を研究する学問なんです。ふつうは歴史学というのは文字を扱うのですが、美術史学では文字に現れないものを扱うということで、文字よりもイメージのほうが豊かな情報を持ってるんですね。コンピュータの画素数でも文字よりも圧倒的に画素数のほうが大きいということがありますでしょ。ですからイメージから情報を引き出す、あるいはイメージの語る言葉を読み解くというのが美術史学なんですね。ですから、美術鑑賞とか芸術とか言うとちょっと主観的な部分もあるんですがそういうものではなくて、あくまでも視覚資料を歴史学の題材として扱う、視覚資料からいろんな情報を引き出す、それが非常に面白いんですね。イメージっていうのはどれだけでも情報が引き出せますから、尽きないところがある。しかもイメージとか絵が好きな人にとってはそれが趣味になる。
神戸大.comスタッフ「なるほど。興味を持ったきっかけはどうしてなんでしょうか。」
小さい時から絵が好きだったということがあるんですね。物心ついた時から絵が好きでしたし、最初はでもね、画家になろうと思ってたんですよ。画家になろうと思ってたんですけど、どうやら自分に才能がないということがわかってきてですね、それでは食べていけないし、で、見ることも同じくらい好きだったんで見ることを仕事にする、たとえば美術館で働くとかそういう仕事があるってことに気づいたんですね。それでこの道に入ったわけです。
神戸大.comスタッフ「この美術史研究室の特色はどのようなところでしょうか?」
あくまで美術作品を実際に見るということを大事にしていまして、机上の空論とか文献の上でのことではなくて、実際に見に行くということを重視しています。つまり、フィールドワークが神戸大学美術史研究室の最大の特色で、実際にこの研究室の卒業生たちは現場で活躍しているんですね。基本的に毎週一回美術館を訪ねてOBたちの話を聞く、つまり美術館あるいは博物館とこの研究室は連動していくっていうのがうちの特色です。
学生時代に熱中していたものはありますか?
大学生時代は、詩吟というものをやっていまして、それを結構男ばっかりの世界でかなり練習が厳しくてしかも大酒を飲むっていうので鍛えられましたね。
神戸大.comスタッフ「それはサークル活動ですか?」
サークル活動で詩吟研究会っていうので、最後は私が会長になったんですけれども、年に一回会場を借りて吟じるというのをやっていたんですけれども、勉強の中身としては、私はイタリアとかフランスのことをやってますから日本のものをやるのはバランスがとれて、お寺に行ったりということもしていましたし…そのぐらいでしょうかね。
教授インタビュー 宮下教授 インタビュー風景1
神戸大.comスタッフ「西洋だけではなくて日本の美術にも興味があったんですか?」
ええもちろん。日本の文化は大事ですし、美術というものは結局西洋も日本も中国もないんですよ。けっきょく言葉の壁がないですから、共通の言語なんですね、イメージというのは。ですから西洋美術をやってる人が日本の美術に興味がないというのはあり得ないし、その逆もあり得ないって感じで、同じイメージとして扱いますから。ですから私は、最初西洋美術史専攻っておっしゃったけどそうじゃなくて、美術史専攻で、内容はあんまり関係ないんですよね。ですから、いちばん最近出したのも日本の美術に関する本でしたしね。