塚本先生の研究内容は主にどういったものなのですか?
中学生の頃からコンピュータに興味を持っていました。その中でもモバイルがずっと好きです。小型のコンピュータに新しい可能性があると思って20年近く研究してます。その一環で、小型で身に着けて使用するウェラブルコンピュータと、見に着けるんじゃなくて壁などの埋め込んで使うユビキタスコンピューターなどの、そういう新しいコンピューターの在り方に向けてのシステムと実際に使う応用を含めて研究しています。特に、神戸大学に来てからの4年間はですね電子デバイスなどのハードウェアも含めた研究もやっています。
神戸大.comスタッフ「あれ??ということは、もともとは普段先生が身に着けているようなHMD(ヘッドマウントディスプレイ:右写真のかっこいい装置)を作ってるわけではなくてそのソフトウェアの方を作ってらっしゃったんですか。それで最近はHMDの方を作り始めたということですか?」
いえいえ、HMDは市販のものを使用して使い勝手を検証しています。一部の学生はもっと先を行くHMDを作ってはいるのですが。
神戸大.comスタッフ「あ、そうだったんですか!てっきり先生の研究室で製作されたものかと思っていました!ちなみになんですけど、そのHMDを使ってどのようなことができるのですか?」

ビデオ用とパソコン用で違うんですけど、ビデオ用はiPodなんかで見れる動画なんかやゲーム映像なんかが見れますね。あとはワンセグやデジタルカメラの画像なども見ることが可能です。もともとはポータブルDVDプレイヤーなどとつないで見ることができるという辺りが5年ぐらい前は想定されていたと思うんですけど、最近はアウトドアで使えるビデオ機器っていうのは増えてきているので、そういうのを含めて手でディスプレイを持って使うのではなく、ハンズフリーで使えるということですね。
パソコン用はパソコンの画面を見ることができるんですが、当初の用途は業務用として想定されていて、例えばマニュアルを見ながら器材の修理が出来る、あるいは在庫管理画面を見ながら倉庫などで活用するなど、現場での補助機能としての使い方が可能です。私の場合はもう7年間ぐらい毎日HMDを着けて生活をしているんですけど、普段は腰に持ってるパソコンとつないですね、インターネットをつなげて見たり、メールを見たり、講演資料の準備したりとか仕事に活用していたんですが、一時的になんですけど専用のツールを作ってスケジュール管理システムや何か思いついたことなどがあればちょこちょこっとメモするようなシステムをパソコンで作ってみていました。でも、これはシステムをしっかり作りこんでいないと使い辛いということや、メモすることができてもそのメモをうまく参照することができずに行き詰ったというところです。
パソコン用はパソコンの画面を見ることができるんですが、当初の用途は業務用として想定されていて、例えばマニュアルを見ながら器材の修理が出来る、あるいは在庫管理画面を見ながら倉庫などで活用するなど、現場での補助機能としての使い方が可能です。私の場合はもう7年間ぐらい毎日HMDを着けて生活をしているんですけど、普段は腰に持ってるパソコンとつないですね、インターネットをつなげて見たり、メールを見たり、講演資料の準備したりとか仕事に活用していたんですが、一時的になんですけど専用のツールを作ってスケジュール管理システムや何か思いついたことなどがあればちょこちょこっとメモするようなシステムをパソコンで作ってみていました。でも、これはシステムをしっかり作りこんでいないと使い辛いということや、メモすることができてもそのメモをうまく参照することができずに行き詰ったというところです。
ここ1,2年はですね、ビデオ用のHMDの商品かなり出てきましたんで、ワンセグ見るというのが好きだったんですけど、本当にここ最近なんですけどビデオ用のHMDなんですけどパソコンの画面を見ることができるようになりまして、今はまたパソコン関係をやり始めています。
神戸大.comスタッフ「普段学校で塚本先生を見かけて「あれは一体何を見てはるんやろう・・・?」と思っていた私を含めた皆さん!謎が解けましたね!」
塚本研究室の目指す目標というのはどういったものなのでしょうか?
研究室の目標は新しいコンピューターの使い方、特に小型で実空間の中で使えるようなものですね。今までのコンピューターは机の上にあって部屋にこもって使うものか、あるいは携帯電話も実空間の中で使うって言っても実はその使ってる内容は実空間じゃなくて遠隔のコンピューターとつないだり遠隔の人と情報をやり取りしたりという使い方をしていますね。そうではなくて、実空間のなかでそこにあるものとかそこにいる人と何かをするために新しいコンピューターの使い方っていうのがあるんじゃないかって思って、そのシステム作りをやってます。これから10年で我々の暮らしはもっと変わるだろう、と。これまでの10年でインターネットや携帯電話などですごい変わったと思うんですけどね、それ以上にもっと暮らしの大事な部分にコンピューターが使われるようになって、もっと便利で、もっと快適で、もっと安全で安心できて、それでもっと楽しい暮らし、そういうのを作り出していくことに貢献したいなと思っています。特にHMDを付け出してから目立つという効果があるみたいで、業界の人やメディアの方もよく来れられるようになったんでウェラブルを一つの看板として「ウェラブルを神戸から」というのをスローガンにしてやってます。神戸市の方も非常に一生懸命やってくれていまして、産官学でウェラブルという新しい文化を立ち上げて行きたいなと思ってます。
神戸大.comスタッフ「へぇ〜!!「ウェラブルを神戸から」ですか!いいですね!
ちなみに今そのウェラブル技術はどのようなところまで来てるんですか??塚本先生の研究室が最先端だと考えていいんですか??」

ウェラブルって言ってもいろいろありますから、世界中に研究機関があります。で、最先端がどこかっていうのはいろんなものがありますので一概には言えないですが、HMDに関してはウチの研究室では作ってはいないんですけど、ずっと使っていますのでいろいろな情報がよく集まってくるようになってます。我々から見て、HMDは近い将来いつ急に流行ってもおかしくないよということを10年前からずっと言ってるんですけど、技術的にはもう全然難しいことはなくて、装着してものが見えるっていうのはもう商品はたくさんありますし、もう海外でもびっくりするほどたくさんの商品があります。ただそんなに広く使われるようにはなってないですよね?本当にもうここ半年ぐらいで急にみんながHMDを使うようになるという可能性は十分ありますね。
神戸大.comスタッフ「あ、もうそんなとこまで来てるんですね!!」
はい。最近ではiPodなどで有名なapple社が今話題の携帯電話iphoneでHMDのバージョンを出すんじゃないかという憶測が飛んでますね。まぁそれはちょっとどこまで事実かはわからないですけど、事実としては特許をいっぱい取っている。
ソニーも最近新たなHMDの試作機を発表されて、もともとはコンピューターとつないで業務用にと考えて来たのが、ここ1、2年ではアウトドア向けのAV機器とつなげてハンズフリーで映像を見れるということを生かした、ワンセグやそういうビデオ機器に使われる方向性をみんな考えるようになってきた。今のところは大爆発には至ってはいないものの、商品の特集記事などが増えてきて、ようやく普通の人が普通の雑誌の中でこうゆう装着型のHMDを目にするようになってきたっていうところが業界としては進歩なんですね。で、そこにapple社という会社が出てきた、ソニーが名乗りを上げてきた。それ以外にもブラザーなどのいくつかの企業が新たなHMDを開発していると発表しています。まぁ今年の年末ぐらいにですね、みんなが「あっ」と驚く新商品が出てきてもおかしくないかな、まぁいつもちょっと大袈裟にいってますけど(笑)まぁでも今までになくHMDはホットなものになっているなと考えています。で、研究室でHMDを実際に作っているわけではないんですけど、研究テーマと関係はしてます。アウトドアでのコンピューターの使い方とかシステムの製作とかなので、我々の研究成果も盛り込めるような形で世の中に出回ったらいいなと思いますけどね。これから1年以内ぐらいにもし立ち上がるタイミングがあるんだったら、神戸、それから我々の研究室が中心的な存在になれるようにとは思うところはありますね。そういう意味で、HMDを作ってるわけじゃないんですけど、なんかこのHMDに関しては良いポジションにいるので、それを利用して良い風に研究を進めていきたいなと思ってます。で、おっきな目標としては、「ウェラブルを神戸から」と言った言い方をしましたけど、ウェラブルに限らずユビキタスなどの新しく小型のコンピューターを実世界で使うということを普通の人の暮らしの中で、すごくいろんな使い方をしていくというかたちで、何か新しい「文化」を立ち上げるのに貢献したいなと考えています。貢献と言うのは若干控えめな言い方ですけど。本当は神戸の、うちの研究室が中心となってその文化を作り上げていくぐらいのことを狙っていますね。
神戸大.comスタッフ「なるほど!僕たちの実際の生活における小型コンピューターなどを生かした新しい文化そのものを作り上げるのが研究室の目標なんですね!」

そうですそうです!携帯電話、インターネットっていうのがこれまでの10年ですよね?これからの10年はウェラブル、ユビキタスの10年だと。それで、その文化。「親指文化」ってありますよね?あれに相当する、例えば「首振り文化」とかですね、HMDを着けて首を振って操作するとか。あるいは足を振って操作するとか、そういうのも入力インターフェースとして研究はやってるんですけどね。それを広めたいですね。その辺は学生も気持ちは共有してると思います。で、さっき言った入力インターフェース、ハンズフリーでどうやって情報機器をを操作するか、それからシステム側。従来のWindowsや Linuxといったものとはちょっと違う、もうちょっと勝手に動いてくれるって言うか、放っといても勝手に動いてくれるようなシステム、それを作っていきたいと思って今作ってるところなんです。それから、超小型のデバイスコンピューターですね。すごい狭い範囲で、例えば一つの部屋の中で数万台のコンピューターがあるような状況で、それがいろんなものや物や場所、机とか椅子とかいろいろな物品に仕込まれているときに、どうやってそれと部屋の中で情報交換して、どうやってその情報全体を統合するか、というようなテーマに対して、「ユビキタスとならこれ」というようなシステムプラットフォームを作っていきたいですね。
神戸大.comスタッフ「ではですね、例えばコンピューターを仕込んだペンがあって、それを動かして空中に字を書いたりしたらそれがそのままパソコンの画面に表示されるとかそういうことが実現したりするんですか?」
もちろんそんなことも可能なんですが、もっと自然というか、実空間の我々の生活に密着したような…例えば、ドア開けて部屋に入ってきたらライトが点いてとか、あるいはもっと範囲を広げると、建物の入口に入ると部屋のクーラーがついたりとか、本棚の本を見たら本の閲覧記録がついたりとか、グーグルで検索情報を検索するように部屋の中の情報を検索できるようになったら便利だと思います。「あれどこ行ったかなぁ?」とか「あの資料どこかなぁ?」とか思ったときに、情報を検索して調べたり、「3時から会議があります。資料は○○にあります」って教えてくれたりするような物品の情報管理などそういうことができるようになります。
神戸大.comスタッフ「めちゃくちゃ便利じゃないですか!!そっかーきっともっと想像もつかないような便利な生活を実現することが可能になってくるんですね。」
【続く 2/3 】 学生に求めるもの、先生の経歴 >>